
「ガス給湯器を使用していたら、突然動かなくなった…」という経験がある方は意外と少なくありません。故障による停止の可能性もありますが、給湯器についている安全装置が作動した可能性もあり、確認が必要でしょう。
そのためここでは、給湯器の安全装置の役割や種類、安全装置が作動した場合の対処法について解説していきます。
Contents
安全装置とは
給湯器はガスに火をつけて、その熱でお湯を作る機器です。普段何気なく使っているかもしれませんが、ガスは人体にとって有害な危険なものです。
ガス漏れや不完全燃焼により一酸化炭素中毒事故が起きたこともあります。また、ガスに火がついた後も機器に不具合がある状態で使用すると、火傷や火災に繋がる危険性があります。
このような事故を防ぐために設置されたのが、給湯器に設けられている安全装置です。古いガス給湯器には安全装置がないためガスによる事故がありましたが、安全装置により事故を未然に防ぐことができるようになりました。
しかし、比較的新しいガス給湯器には安全装置がついているからといって、油断してはいけません。
もし安全装置が作動したら、正しく対処できるようにしなければ、防げたはずの事故が起きてしまいます。
ここではまず、ガス給湯器ではどのような仕組みでお湯が出るのかということと、安全装置がどのような形で作動するのかということについて詳しくご紹介していきましょう。
ガス給湯器でお湯が出るまでの流れ
まずは給湯器でどのようにガスが使われてお湯になるのか流れを確認しましょう。
- 蛇口を開けると給湯器の中に水が流れることでスイッチが入る
- 炎を燃やすためにファンが回って空気を取り込む
- 点火プラグがスパークする
- ガスが送られることで着火する
- ついた火により配管の水が温められて、お湯が出る
ガス給湯器はこのような仕組みでお湯が出ます。
この仕組みのどこかに異常が出た時に、安全装置が作動して私達の安全を守ってくれるのです。
ガス給湯器の事故の原因
ガス給湯器で起こる事故の原因としては、おもに以下のようなことが挙げられます。
- ガス漏れ
- 不完全燃焼
- スパークした火の不備
給湯器の事故についてはガス漏れや不完全燃焼なども怖いところですが、スパークで出る火による危険性もあります。
これらの事故については比較的新しい給湯器ではあまり起こりえないことではありますが、点検や整備などを怠っていたり、予期せぬ衝撃などを給湯器に与えてしまったりした場合には起こりうる可能性もあります。しかし、不慮の事故を防ぐために、給湯器メーカーでは重大事故につながらないような安全装置を給湯器に組み込んでいます。
その結果、先に挙げた事故の原因となるようなことがあっても火災や一酸化中毒などの危険性を避けることが可能となるのです。
安全装置の作動の流れ
給湯器に取り付けられている安全装置が作動すると、まずはガスの供給がストップします。
ガスの供給がなくなることで、スパークしたプラグにガスが送られなくなるため、以下のような形で年商が停止する仕組みです。
- ガス給湯器内に設置しているセンサーが異常を検知
- ガスの供給を遮断
- ガスの供給が遮断されたことにより燃焼が停止し、ガス給湯器の運転が停止される
給湯器に異常が出た場合、このように安全装置が作動します。
給湯器が止まったら給湯器の使用を避けて、説明書を確認したりメーカーに問い合わせたりして、まずは身の安全を確保しましょう。またすぐに窓を開けるなど換気をして、ガス漏れによる一酸化中毒などに気を付けることも重要です。
基本的に、安全装置が働いたときには動作が停止するため、安全を確認しないうちに再度作動させてしまうと防げたはずの事故が起こってしまう可能性があります。ガスのにおいがしないから、火が出ていないからとメーカーなどに確認せずに給湯器の運転を再開させることは絶対に避けておきましょう。
また安全装置には種類があり、それぞれに役割があります。詳しい種類やそれぞれの役割などについては、以下より紹介していきましょう。
給湯器の安全装置の種類や作動するケースとは
ここでは、安全装置の種類や安全装置が作動するケースについて解説していきます。
給湯器の安全装置の種類と役割
安全装置には様々な種類があり、以下のようにそれぞれに異なる役割があります。
安全装置の名称 | 役割 |
不完全燃焼防止装置 | 不完全燃焼を防止するため危険を察知して運転を停止する |
立ち消え安全装置 | 火が途中で消えた場合に運転を停止する |
空焚き安全装置 | 空焚きを感知して運転を停止する |
過電流防止装置 | 異常な電流を検知して自動的に運転を停止する |
過熱防止装置 | 給湯器本体が異常過熱した場合にガスを止める |
凍結防止装置 | 一定温度以下になるとヒーターを付けて給湯器の凍結を防ぐ |
漏電安全装置 | 微弱な電流を検知して電源を切る |
ファン回転検出装置 | 燃焼ファンが上手く作動しない場合に、自動停止させる |
停電時安全装置 | 給湯器の燃焼中に停電したら緊急停止する |
給湯器の安全装置が作動するケース
給湯器の安全装置が作動するケースには、以下のようなものが挙げられます。
長時間連続使用
ガス給湯器は、長時間の連続使用をすることで安全装置が作動します。具体的には、おおよそ1時間程度で安全装置が作動し機器が自動停止されるため、シャワーなどでも数十分程度の連続使用に収めることが大切です。
給湯器の老朽化
給湯器の老朽化によっても、安全装置は作動しやすくなります。給湯器の寿命は10年程度だと言われており、長年使用すると経年劣化により機器や配管が傷んでいき、トラブルが発生しやすくなるのです。
給湯器の安全装置が作動した場合の対処法
ここでは、給湯器の安全装置が作動した場合の具体的な対処法を2つに厳選して紹介していきます。
換気をするのがまず大切
屋内設置型の給湯器を使っていて安全装置が作動したら、真っ先にしなければならないのが換気です。安全装置が作動した場合、不完全燃焼が起きて一酸化炭素が充満している可能性があります。
充満した一酸化炭素を吸うと血中でヘモグロビンと結合し、身体全体へ酸素を運搬できなくなってしまい、頭痛や吐き気などを起こし一酸化中毒になる可能性があります。
一酸化炭素は毒性が高く、0.04%の濃度で1~2時間後に頭痛や吐き気、1.28%濃度だと1~3分で死に至ってしまいます。
一酸化炭素中毒は命に関わることもあり危険なので、何よりもまず換気をして回避することが重要です。換気をする際に換気扇を使うと、万が一ガス漏れが起きていた場合に火災につながりかねないので、かならず窓を開けて換気してください。
安全装置が作動したら再点火は避けよう
安全装置が作動した場合、「どうせ大丈夫だろう」と軽く見て再点火をすることだけは避けましょう。
再点火を繰り返すことによって一酸化炭素が発生し続け、濃度が高くなってしまう可能性があります。
不完全燃焼防止装置が作動した場合、インターロック機能が作動して再点火できなくなっている場合もあります。
古い給湯器だと不完全燃焼防止装置がついていない場合もあるため、再点火できるので注意してください。
再点火するのはメーカーの人の話をしながら一緒にするか、説明書をしっかり確認して確実に行うようにしてください。
点火ボタンを何度も押す行為は大きな事故につながる可能性があるので、絶対に避けてください。
安全装置が作動したら再点火は避けよう
安全装置が作動した場合、「どうせ大丈夫だろう」と軽く見て再点火をすることだけは避けましょう。
再点火を繰り返すことによって一酸化炭素が発生し続け、濃度が高くなってしまう可能性があります。 不完全燃焼防止装置が作動した場合、インターロック機能が作動して再点火できなくなっている場合もあります。
古い給湯器だと不完全燃焼防止装置がついていない場合もあるため、再点火できるので注意してください。
再点火するのはメーカーの人の話をしながら一緒にするか、説明書をしっかり確認して確実に行うようにしてください。
点火ボタンを何度も押す行為は大きな事故につながる可能性があるので、絶対に避けてください。
安全装置作動時のエラーコードを調べる
安全装置が作動したとき、給湯器のリモコンを見るとエラーコードが表示されていることがあります。
エラーコードにはそれぞれ意味があり、原因を特定できる可能性もあります。
原因によっては修理を頼まなくても解決できることもあるので、安全装置が作動したらエラーコードを調べてみてください。
良くあるエラーコードについて、いくつか紹介します。
紹介するエラーコードは、運転スイッチのオフとオンをすることで解消できる場合が多いものです。
同じエラーコードでもメーカーによって原因が違う場合があるので、使用中のメーカーを確認してから参考にしてください。
再操作をしても解消されない場合は修理依頼を出すようにしましょう。
ノーリツのエラーコード
- 111:給湯側の点火エラーが生じたときに出ます。
- 140:過熱防止操作が作動しました。
- 610:空気を取り入れるための燃焼用ファンモーターが異常です。ファンが回っていないか回転数が不足している可能性があります。
スイッチを切って再操作してもエラーが続く場合は修理依頼をしてください。
- 760:給湯器本体とリモコンの通信異常が生じた可能性があります。
コンセントの抜き差しをして再操作してみてください。
リンナイのエラーコード
- 111:給湯点火不良でガス栓が開いていない場合などに作動します。
- 140:過熱防止装置、温度ヒューズの作動です。一度運転スイッチを切ってから再操作してください。
- 610:燃焼ファン異常です。運転スイッチを一旦切って再操作をすることで直る場合があります。
- 760:ドレン排水切り替えユニットの通信不良がおきている可能性があります。
運転スイッチを切ってから再操作してみてください。
給湯器の不具合や故障を調査する
エラーコードを確認し、個人で対処できない場合や再発する場合は故障や不具合を疑い、調査する必要があります。
ガス給湯器の寿命は10年ほどとされていて、給湯器内部の部品やゴムパッキンの劣化や配管等の老朽化によって不具合が出てしまいます。
ちょっとしたトラブルの場合でも安全装置は作動しますし、部品等の交換や修理は業者でなければできません。
修理した場合でも経年劣化によってほかの箇所が故障してしまう可能性があるので、一度不具合が出た場合にはきちんと調査してもらうようにしてください。
安全装置が作動したらすぐに換気しよう
給湯器には様々な種類の安全装置があり、それぞれが多種多様な危険から私たちを守ってくれています。安全装置が作動したら、まずすぐに換気を行い、そのまま再点火をせずにメーカーや専門業者に連絡するようにしましょう。
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