
給湯器の設置場所というとどのようなイメージが浮かぶでしょうか?住宅の壁に取り付けられたもの、壁際に置かれたもの、マンションの通路にずらっと並んだもの、洗面所に鎮座しているものなど、さまざまなものがありますよね。
この記事では、給湯器の設置に適した場所の考え方やそれぞれの長所・短所について解説します。
お住まいが一戸建てか、マンションなどの集合住宅かによって給湯器の設置場所の考え方も変わってきます。
戸建ての場合
一戸建ての場合は、屋内・屋外ともに比較的自由に設置する場所を選択できます。スペースの有効利用の観点から屋外に設置されることが多いですが、近隣への配慮や周辺環境などのために屋内に設置する場合もあります。
外のスペースも有効活用したいなら壁掛け型を、安定性や家屋への負担減を重視するなら据置き型を選択しましょう。
ただし、給湯器には消防法で設置基準が定められており、窓や壁などからの距離などに一定の制約があります。
集合住宅の場合
PS(パイプスペース)と呼ばれる専用のスペースに取り付けられることも多く、基本的には所定の場所に設置することになります。ただし、電気給湯器のようなPSなどに収まらない大型のものは屋内に置く必要があります。
マンションの規約で設置場所が制限されている場合もあるので、取り付ける前に管理組合などに必ず確認しましょう。
給湯器の設置の基準について詳しく知りたい方は別記事をご参照ください。「給湯器の位置はどうやって決める?設置基準や位置決めの基本解説」
給湯器の設置場所は屋内と屋外どちらがおすすめ?
給湯器は屋内にも屋外にも設置できますが、どちらが良いのでしょうか。
給湯器の主な設置場所
給湯器が設置できる場所は、安全に稼働ができるかどうかという法律で定められている基準があります。
基準を満たしていないと、排気口が塞がったことによる不完全燃焼や、爆発事故に発展する場合があるので、基準を満たした場所に設置する必要があります。
室外機は主に以下のような場所に設置されます。
屋外
戸建て住宅のほとんどはこの屋外に設置されます。隣接する住宅に影響があったり、どうしてもスペースが確保できない場合は室内になる場合もあります。
この屋外に設置するのも住宅の外壁に設置する壁掛型、地面や何かの台の上に設置する据え置き型と種類があります。
屋内
隣接する住宅との間隔が著しく狭い戸建てや、マンションの設置個所としてあるのが屋内です。
この場合、FF型と呼ばれる外から空気を入れて外に排気するタイプと、FE型と呼ばれる室内の空気を取り込んで外に排気するタイプの2種類が設置可能です。
パイプスペース
ガス管や下水道管などの配管がまとまっている部分がこのパイプスペースと呼ばれる場所です。パイプスペースに設置できるのは、PS標準設置型やPS扉内排気型、PSアルコープ設置型、PS上方排気型、PS後方排気型、PS給排気延長型など豊富です。
ベランダ
排気口をより高い位置に設置する関係で壁掛型にはなりますが、ベランダにも設置が可能です。
浴室内
給湯器は浴槽と並べて設置も可能となっており、こうした浴室に設置する給湯器を浴室型と良いいます。
屋内設置型給湯器のメリットとデメリット
屋内設置型給湯器には、外気の影響を受けにくいというメリットがあります。寒い地域や季節であっても、屋内であれば寒気の影響は最小限で済みます。また、凍結や外部からの力による故障の心配も少なくて済みます。また屋外の設置場所が限られる場合の多い集合住宅でも、屋内であれば設置できる場合もあります。
一方、デメリットとしては、なんといっても屋内のスペースを狭めてしまうことや、ガス式の場合は排気設備も必要なため割高になりやすいことが挙げられます。
屋外設置型給湯器のメリットとデメリット
屋外設置型給湯器は屋内の貴重なスペースを有効利用できることが最大のメリットです。
その反面、寒気・風雨・潮風などの外部環境の悪影響を受けやすくなります。また、住宅事情によっては騒音や排気などがトラブルになってしまう場合もあります。集合住宅の場合は、所定のスペースに収まらないものは設置自体が不可能なことも多いでしょう。
太陽熱給湯器は必然的に屋外への設置となります。屋根に取り付ける場合には、家屋に悪影響を与えないよう注意が必要です。
メリットとデメリットを考慮して設置場所を決めよう
これから一戸建てを建てる方から集合住宅で給湯器の交換を考えている方まで、給湯器の設置場所にもシチュエーションによってさまざまな可能性があります。実際の選択肢は必ずしも多くはないかもしれませんが、ベストの位置を決める上で今回ご紹介したメリットやデメリットを参考に自分にあった場所に設置しましょう。